今まで通いなれた歯医者さんを変えたことがある方は多いと思います。
引っ越したから。痛くされたから。予約が取りにくくなったから。高い治療を勧められたから。近所に新しい歯科医院が出来たから。、、、
実は、歯科治療は後々まで影響するものがいくつかあります。
その中で、特に問題になりやすい治療から説明していきます。
1:インプラント治療
多くの方がご存じないようですが、インプラントはメーカーの数だけ(もしくはそれ以上の)種類があり、ほとんどは部品の互換性がありません。
(参考:『このインプラントなに?他医院で治療されたインプラントへの対応ガイド』 医歯薬出版
上野 温子 (著), 加藤 大輔 (著), 宮前 真 (著), 志賀 泰昭 (著), 荒木 久生 (著), & 6 その他 )
それゆえ、A歯科医院でインプラント治療を受けると多くの場合将来別の歯科医院でそのインプラントを修理することはできません。(A歯科医院に問い合わせてメーカー名と部品番号がわかれはパーツを取り寄せて修理できますが、工具一式を取り寄せるとかなり高額になります。)インプラント治療を受けたら、後々のためにメーカー名と部品番号を控えておくことをお勧めします。そうすれば、大手のメーカーですと問い合わせれば各都道府県ごとにその形式のインプラントを使用している歯科医院を紹介できるそうです。
2:歯列矯正
歯列矯正はたとえるならば茶道や生け花のように多くの流派があり、流派ごとに治療スタイルが異なります。それゆえ、B歯科医院で矯正中に転勤などで他の歯科医院に変えようとすると、そこでは治療方針が異なるために新規に近い治療費を提示されたり、追加で歯を抜く必要があるという診断になることがあります。
終了まで歯科医院を変えずに済むよう計画されることをお勧めします。ちなみに、海外で治療途中に帰国された方を診察する機会がありますが、当院の価値観と大きく違うことが多く、大学病院を紹介しています。
3:審美歯科治療
インターネットの普及によって、他の歯科医院で治療途中の方が当院での審美歯科治療を希望されることがあります。
その中でも、根管治療まではかかりつけの歯科医院で行い、セラミック歯のみを当院で行うという方がおられます。
一見合理的に見えますが、この方法はお勧めできません。
なぜなら、根管治療こそが大事な基礎工事にあたります。万一将来問題が発生したときは、根管治療が原因のことが多いのです。
保障を考えて、根管治療とセラミック治療は同じ歯科医院で受けましょう。