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「パーフェクトペリオ」について日本歯周病学会の見解(引用)

「パーフェクトペリオ」(以下PPW)は次亜塩素酸(HCIO)を主体とする殺菌作用を期待した機能水の一種である。PPWについては、2007年頃より、東京医科歯科大学う触制御学分野のグループや明海大学歯内療法学分野のグループより、主にう触病原細菌や実験的バイオフィルムに対する抗菌効果、根管内のスミヤー層や細菌の除去効果などについて報告している。歯周病に関する研究としては、東京医科歯科大学歯周病学分野より2009年に基礎的な研究について学会発表がなされているのみである。この報告では、歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisやAggregatibacter actinomycetemcomitansに高い有効塩素濃度(600pm)のPPWを作用させると殺菌効果があることが示されている。一方で、ヒト歯肉繊維芽細胞(HGF-1)およびヒト単球由来細胞(THP-1)にPPWを作用させたところ、生存細胞数が減少したが、その傷害性は同程度の濃度のクロルヘキシジンや次亜塩素酸ナトリウムと比較しても同じかそれよりも低いものであるとしている。しかし、これらの研究はいずれも基礎的な研究で、また査読制度のある学術雑誌の論文はわずかであり、ヒト応用に関し安全性と有効性が高いレベルで示されているわけではない。また、臨床的研究についての報告はこれまでにない。
PPWを用いた歯科治療については、最近マスコミ等で取り上げられ、国民から注目されている。そして、この方法に対する期待が、患者だけでなく一部の歯科医療関係者にもみられるようである。しかしながら、現在PPWを使用している歯科医師がPPWの使用に際して必要な倫理的事項(大学や学会などへの倫理申請、患者への説明文書の提示と同意書の取得など)に対して、どのように対処されているのかは不明である。
PPWを販売していたパーフェクトペリオ(株)では、現在、販売を一時中止した上で、PPWの生成装置について「新医療機器」としての申請を準備中であるとのことである。同社ではラット等を用いた急性経口毒性試験や皮膚刺激性試験や細菌を用いた変異原性試験などで重篤な問題を生じることがなかったと報告しているが、今後、厚生労働省の「臨床研究に関する倫理指針」に則って臨床研究の実施なども計画しているとのことである。
以上より、現状でのPPWの歯周治療への応用については、研究途上の段階で科学的根拠が十分であるとはいえず、日本歯周病学会としては安全性や有効性について学術的な場で十分な討議が行われた後に、臨床に応用されるべきであると考える。


(参考文献)
1.田上順次、マティン・カイルール、岡田彩子、小野雅洋
二種機能水の異なる経路からのう触予防コントロール
第55回国際歯科研究学会日本部会(JADR)総会・学術大会プログラムおよび講演抄録集2007:89

2.岡田彩子、マティンカイルール、花田信弘、田上順次、
Electrolyzed Waters with Different Hypochlorite Concentrations. in Controlling Cariogenic Biofilms
International Association for Dental Research, General Session, Toronto 2008

3.田上順次、岡田彩子、マティンカイルール、ザマン・ショウカット、花田信弘
次亜塩素酸電解水の効果的なう触バイオフィルムの浸透作用
第56回国際歯科研究学会日本部会(JADR)総会・学術大会プログラムおよび講演抄録集 2008:58

4.田上順次、岡田彩子、マティン・カイルール、ザマン・ショウカット、花田信弘
電解水に含まれる有効塩素濃度の上皮細胞(KB-cells)増殖に及ぼす影響
第56回国際歯科研究学会日本部会(JADR)総会・学術大会プログラムおよび講演抄録集2008:82

5.マティンカイルール、暁万里子、岡田彩子、志田加奈子
電解水を用いたジェットウォッシャーによる効果の検討
日本機能水学会 日本機能水学会第8回学術大会後援要旨集 2009:81

6.田上順次、小柳岳大、マティンカイルール、岡田彩子
次亜塩素酸電解水及び洗口剤の短時間作用によるう触病原菌に及ぼす効果
第130回日本歯科保存学会春期学術大会プログラムおよび講演抄録集2009:50

7.田上順次、kairul matin 小柳岳大、中野真理子、岡田彩子、Shawket Zaman
う触治療・予防におけるパーフェクトペリオ応用の可能性
日本歯科評論2010:70(4); 41

8.〆谷暁子、中村裕子、久野木克典、杉山僚、小此木雄、片山直
バイオフィルム形成細菌に対する電解機能水の抗菌効果について
第127回日本歯科保存学会秋季学術大会プログラムおよび講演抄録集2007

9.中村裕子、久野木克典、杉山僚、小此木雄、橋本研、坂上宏、中村幸生
中性電解機能水(パーフェクトポリオ)のヒト歯髄細胞に対する細胞傷害性およびアルカリフォスファターゼ活性に及ぼす影響
第129回日本歯科保存学会秋期学術大会プログラムおよび講演抄録集2008:72

10.〆谷暁子、中村裕子、久野木克典、林田千代美、中村有良、中村幸生
中性電解機能水パーフェクトペリオによる根管洗浄および抗菌効果について
第130回日本歯科保存学会春期学術大会プログラムおよび講演抄録集2009:167

11.中村裕子、杉山僚、小此木雄、関根彗、牛込瑛子、高橋慶壮、小谷依子、中村幸生
Enterococus faecalisが形成するバイオフィルムに対する中性電解機能水パーフェクトペリオの抗菌効果に関する基礎研究
歯内療法学会誌2010;31(1):29

12.中村裕子
歯内療法分野におけるパーフェクトペリオの応用-根管洗浄剤としても可能性を探る
日本歯科評論2010:70(4);47

13.竹内康雄、坂東由記子、長澤敏行、南原弘美、小林宏明、和泉雄一
次亜塩素電解水の抗菌作用と細胞毒性の検討
第130回日本歯科保存学会春期学術大会プログラムおよび講演抄録集2009:49

ビスフォスフォネート製剤と歯科治療の続報(引用)

ビスフォスフォネート関連顎骨壊死検討委員会:
米田 俊之(1.a) 萩野 浩(1.b) 杉本 利嗣(1.c) 太田 博明(2.d) 高橋 俊二(1.e) 宗圓 聰(2.f)
田口 明(3.g) 豊澤 悟(2.h) 永田 俊彦(4.i) 浦出 雅裕(5.j)   (執筆順)


1.日本骨代謝学会
2.日本骨粗鬆症学会
3.日本歯科放射線学会
4.日本歯周病学会
5.日本口腔外科学会

a.大阪大学大学院歯学研究科口腔分子免疫制御学講座生科学教室
b.鳥取大学医学部保健学科
c.島根大学医学部内科学講座内科学第一
d.東京女子医科大学産婦人科学教室
e.癌研有明病院化学療法科
f.近畿大学医学部奈良病院整形外科・リウマチ科
g.松本歯科大学大学院歯学独立研究科硬組織疾患制御再建学講座臨床病態評価学
h.大阪大学大学院歯学研究科顎口腔病因病態制御学講座口腔病理学教室
i.徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部歯周歯内治療学分野
j.兵庫医科大学歯科口腔外科学講座

I.ポジションペーパーの目的

 ビスフォスフォネート(BP)は骨粗鬆症治療の第一選択薬であり、その他にもがん患者や骨量が減少する疾患に対して有効な治療薬として使用されている。近年、BP製剤を投与されているがん患者や骨粗鬆症患者が抜歯などの侵襲的歯科治療を受けた後に、顎骨壊死(Bisphosphonete-Related Osteonecrosis of the Jaw BRONJ)が発生し、BP製剤とBRONJの関連性を示唆する報告が相次いでいる。わが国においてもBRONJ発生の報告の報告が集積しつつあり、BRONJに対する早急な対応が迫られている。しかしながら、BRONJの発生頻度や病態に関する情報・知識などが広く正確に行きわたっておらず、発生機序が不明で、予防法や対処法も確立されていないために医師、歯科医師、薬剤師、コメディカル、コデンタル、そして患者の間に混乱を招いている。
本ポジションペーパーは、日本骨粗鬆学会、日本骨代謝学会、日本歯周病学会、日本歯科放射線学会および日本口腔外科学会の協力のもとに、骨研究を専門とする内科医、整形外科医、リウマチ医、産婦人科医、腫瘍内科医、口腔外科医、歯周病医、歯科放射線科医、口腔病理医、腫瘍生物学者から構成される“ビスフォスフォネート関連顎骨壊死検討委員会”が、BRONJに関する正確な科学的情報を収集し、その予防策や対応策について統一的見解を提言することを目的として作成された。

II.ビスフォスフォネート関連顎骨壊死(BRONJ)

1.顎骨の特殊性
BP製剤に関連する骨壊死が顎骨にのみ発生する理由として、顎骨には他の骨(長管骨や頭蓋骨など)には見られない特徴(下記(1)~(6))があり、それらがBRONJの発生に関連すると考えられる。
(1).歯は顎骨から上皮を破って植立しているため、口腔内の感染源は上皮と歯の間隙から顎骨に直接到達しやすい。
(2).顎骨のように薄い口腔粘膜に被覆された骨は他に無く、食物をかみ砕く(咀嚼)などの日常活動により口腔粘膜は傷害を受けやすい。粘膜障害による感染はその直下の顎骨に波及する。
(3).口腔内には感染源として、800種類以上、1011~1012個/cm3の口腔内細菌が常在する。
(4).下顎骨は上顎骨に比べ皮質骨が厚く緻密であるためBPの蓄積量が多くなり、また、骨リモデリングも活発である。このためBRONJは上顎骨よりも下顎骨に発症しやすいと推察される。
(5).歯性感染症(う蝕、歯髄炎、根尖病巣、歯周病)を介して顎骨に炎症が波及しやすい。
(6).抜歯などの侵襲的治療により、顎骨は直接口腔内に露出して感染を受けやすい。

2.診断基準
以下の3項目の診断基準を満たした場合に、BRONJと診断する。
(1).現在あるいは過去にBP製剤による治療歴がある。
(2).顎骨への放射線照射歴がない。
(3).口腔・顎・顔面領域に骨露出や骨壊死が8週間以上持続している。

3.臨床所見
正確な発生頻度は不明であるが、注射用BP製剤投与患者におけるBRONJ発生は、経口BP製剤投与患者におけるBRONJ発生にくらべてその頻度が高いことが欧州の調査報告により知られている。わが国においては、欧米に比較して、経口BP製剤投与患者におけるBRONJ発生の比率が高いようである。
BRONJの臨床症状を表1に示す。これらの症状の中で、下口唇を含むオトガイ部の知覚異常(Vincent症状)は、骨露出よりも前に見られるBRONJの初期症状であるとされる。

表1.BRONJの臨床症状
●骨露出/骨壊死
●疼痛
●腫脹
●オトガイ部の知覚異常(Vincent症状)
●排膿
●潰瘍
●口腔内痩孔や皮膚痩孔
●歯の動揺
●深い歯周ポケット
●X線写真:無変化~骨溶解像や骨硬化像
(出典1) より引用、改変

BRONJと鑑別すべき疾患を表2に示す。がんの顎骨転移はBRONJと鑑別すべき重要な疾患であり、顎骨骨髄炎はBRONJとの鑑別診断が極めて困難である。また、ドライソケット(歯槽骨炎)とは、抜歯窩に血餅が形成されず骨面が露出した状態が続いて強い痛みを伴うものを指すが、BP製剤投与患者の侵襲的歯科治療後にドライソケットが見られた場合はBONJに進展する可能性がある。

表2.BRONJとの鑑別診断が問題となる疾患
●がんの顎骨転移
●顎骨骨髄炎
●ドライソケット
●骨壊死を伴うヘルペス感染症
●良性病変による腐骨形成
●HIV関連壊死性潰瘍性歯周炎
●原発性顎骨腫瘍
●外傷
(出典1) より引用、改変
4.BRONJ発生のリスクファクター

BRONJ発生のリスクファクターを5種類に大別した(表3)。BRONJ発生頻度は、BP製剤の窒素含有の有無や投与法により異なり、窒素を含有する注射用BP製剤であるゾレドロン酸(商品名:ゾメタ)投与患者におけるBRONJの発生頻度が最も高い。局所的ファクターとしては、多くの論文が、口腔衛生状態の不良をリスクファクターとして挙げている。また、歯科インプラント埋入については、BRONJとの関連性を否定する報告もあり、両者の関連性は明らかではない。しかし、口腔清掃が十分に行われているインプラント埋入前や埋入直後とは異なり、長期経過の間には口腔衛生状態が不良になり、BRONJ発生の危険性が増すと考えられる。
全身的因子のがんの患者は、抗がん剤およびステロイド剤投与、あるいは放射線治療などを受けていることが多く、免疫機能の低下などによりBRONJ発生のリスクが高まる。また、多発性骨髄腫、乳がん、前立腺がん患者などは骨転移、骨痛、あるいは高カルシウム血症を併発することが多いためBP製剤による治療が不可欠であり、自ずとBRONJ発生頻度が高まる。その他の因子として、喫煙はBRONJ発生頻度を高めるとともに予後不良因子でもある。

表3.BRONJ発生のリスクファクター

1.BP製剤によるファクター
●窒素含有BP>窒素非含有BP
窒素含有BP:ゾレドロン酸(商品名:ゾメタ)、
アレンドロネート(商品名:オンクラスト、テイロック、フォサマック、ボナロン)、
リセドロネート(商品名:アクトネル、ベネット)、
バミドロネート(商品名:アレディア)、ミノドロン酸(商品名:ボノテオ、リカルボン)
窒素非含有BP:エチドロネート(商品名:ダイドロネル)、クロドロネート

●注射用製剤>経口製剤
注射用製剤:(商品名:アレディア、オンクラスト、テイロック、ゾメタ)
経口製剤:(商品名:ダイドロネル、フォサマック、ボナロン、アクトネル、ベネット、ボノテオ、リカルボン)

2.局所的ファクター
●骨への侵襲的歯科治療(抜歯、歯科インプラント埋入、根尖外科手術、歯周外科など)
●口腔衛生状態の不良
●歯周病や歯周膿瘍などの炎症疾患の既往
●好発部位:下顎>上顎、下顎隆起、口蓋隆起、顎舌骨筋線の隆起

3.全身的ファクター
がん、高齢者、腎透析、ヘモグロビン低値、糖尿病、肥満、骨パジェット病

4.先天的ファクター
MMP-2遺伝子、チトクロームP450-2C遺伝子

5.その他のファクター
薬物(ステロイド、シクロフォスファミド、エリスロポエチン、サリドマイド)、喫煙、飲酒

III.BP製剤投与患者の歯科治療とBP製剤の一時的休薬・再開

 侵襲的歯科治療を行うことが問題となるBP製剤投与予定の患者、特にBP製剤が注射剤である場合は、投与前に口腔衛生状態を良好に保つことの重要性を認識させると同時に、口腔内診査にてBRONJのリスクファクターとなる要因をチェックしておく。可能であれば歯科治療が終了し、口腔状態の改善後にBP製剤投与を開始する。
注射用BP製剤投与中の患者に対しては、侵襲的歯科治療を行うことの是非について明らかな見解は得られていない。一方、BP製剤の休薬がBRONJ発生を予防するという明らかな臨床的エビデンスも得られていない。そこで、注射用BP製剤投与中の患者には、BRONJ発生のリスクと歯科治療効果を勘案し、原則的にBP製剤投与を継続して、侵襲的歯科治療はできるかぎり避けるのが望ましい。骨形成不全症の治療には注射用BP製剤が投与されるが、骨形成不全症の小児患者では、侵襲的歯科治療を行ってもBRONJは発生していない。
経口BP製剤投与中の患者に対しては、侵襲的歯科治療を行うことについて、投与期間が3年未満で、他にリスクファクターがない場合はBP製剤の休薬は原則として不要であり、口腔清掃後侵襲的歯科治療を行っても差し支えないと考えている。しかし、投与期間が3年以上、あるいは3年未満でもリスクファクターがある場合には判断が難しく、処方医と歯科医で主疾患の状況と侵襲的歯科治療の必要性を踏まえた対応を検討する必要がある。BP製剤投与中の患者の休薬の原則を図3にまとめた。

表4.侵襲的歯科治療が問題となるBP製剤治療患者
1.注射用BP製剤投与予定の患者
2.注射用BP製剤投与中の患者
3.経口BP製剤投与予定の患者
4.傾向BP製剤投与中の患者
 ・傾向BP製剤投与期間が3年未満、ほかにリスクファクターなし
 ・傾向BP製剤投与期間が3年以上
 ・傾向BP製剤投与期間が3年未満、しかしリスクファクターあり


図3.BP製剤投与中の患者の休薬について
図3.BP製剤投与中の患者の休薬について

BP製剤の休薬が可能な場合、その期間が長いほど、BRONJの発生頻度は低くなるとの報告がある。骨のリモデリングの期間を考慮すると休薬期間は少なくとも3ヶ月が望ましい。抜歯など侵襲的歯科治療後のBP製剤の投与再開までの期間は、術創が再生粘膜上皮で完全に覆われる2~3週間後、または十分な骨性治癒が期待できる2~3ヶ月後が目安であろう。BP製剤の休薬の可否を決定する際には、医師・歯科医師と患者との十分な話し合いによりインフォームドコンセントを得ておくことも肝要である。

IV.BRONJ発生患者の治療について

1.治療方針
  BRONJの治療指針には以下の3項目に集約される。
(1)骨壊死の進行を抑える
(2)疼痛や知覚異常の緩和や感染制御により、患者のQOL(生活の質)を維持する。
(3)患者教育および経過観察を行い、口腔内清掃を徹底する。

2.ステージングに基づいたBRONJの治療法
  BRONJ病期のステージングに基づいた具体的な治療法を表5に示す。

表5.BRONJ病期のステージングとその治療法
  ステージング 治療法
ステージ0
(注意期)
骨露出/骨壊死は認めない。
オトガイ部の知覚異常(Vincent症状)、
口腔内痩孔、深い歯周ポケット
単純X線写真で軽度の骨溶解を認める。
抗菌性洗口剤の使用
痩孔や歯周ポケットに対する洗浄
局所的な抗菌薬の塗布・注入
 
ステージ1 骨露出/骨壊死を認めるが、無症状。
単純X線写真で骨溶解を認める。
抗菌性洗口剤の使用
痩孔や歯周ポケットに対する洗浄
局所的な抗菌薬の塗布・注入
 
ステージ2 骨露出/骨壊死を認める。
痛み、膿排出などの炎症症状を伴う。
単純X線写真で骨溶解を認める。
病巣の細菌培養検査、抗菌薬感受性テスト、
抗菌性洗口剤と抗菌薬の併用、
難治例:併用抗菌薬療法、長期抗菌薬療法、
連続静注抗菌薬療法
 
ステージ3 皮膚痩孔や遊離腐骨を認める。
単純X線写真で進展性骨溶解を認める。
新たに正常骨を露出させない最小限の壊死骨掻爬、骨露出/壊死骨内の歯の抜歯、栄養補助剤や点滴による栄養維持、壊死骨が広範囲に及ぶ場合:辺縁切除や区域切除。

3.BRONJ発生患者におけるBP製剤投与
BRONJ発生患者におけるBP製剤投与については、注射用BP製剤投与がん患者では、注射用BP製剤による治療を優先すべきである。骨粗鬆症に対するBP製剤投与患者では、BP製剤の休薬あるいは、BP製剤以外の薬剤への変更を考える。

V.今後の展望

BRONJに適切に対応するには医師、歯科医/口腔外科医、薬剤師、看護師、歯科衛生士、歯科技工士の協力によるチーム医療体制を築く必要がある。今後BRONJの臨床データが蓄積されるにつれて、チーム医療による適切な対策が確立されるであろう。BRONJ発症のメカニズムは明らかではないが、最近、BP製剤とは全く異なる作用機序により骨吸収を抑制するdenosumab(Amgen社)でも、ゾレドロン酸(商品名:ゾメタ)と同頻度でBRONJが発生するとの報告がある。このことから、BRONJの発生にBP製剤自体に問題があるのではなく、denosumabとBP製剤に共通する骨吸収抑制作用が関与していることが推測される。いずれにせよ、BRONJは顎骨にのみ発生することから、顎骨の特殊性を考慮して、口腔清掃を徹底することによりBRONJ発生頻度を低下させることができると考えている。また、2003年にMarxが最初にBRONJを報告して以来、顎骨壊死という用語が用いられているが、本病態を顎骨壊死と呼ぶべきか、顎骨骨髄炎と呼ぶべきか、今後、データに裏付けされた病態解析が必要である。
最後に、本ポジションペーパーは、前向き臨床研究に基づいたエビデンスを含んでおらず、これまでの文献報告から得られた情報に基づいた1つの見解を提案したものである。個々の症例への対応は、医療チームと患者との十分な協議・検討により判断すべきである。以上を表6に今後の展望としてまとめた。

表6 今後の展望

 ・臨床データ蓄積による対応策の確立
 ・口腔清掃の徹底によるBRONJの発症予防
 ・データに裏付けされたBRONJの病態解析(顎骨壊死か顎骨骨髄炎か?)
 ・他の骨吸収抑制剤(denosumab)とBRONJ発症との関連究明
 

急告 ビスフォスフォネート製剤(主に骨粗鬆症の治療に使われる薬)を内服している皆様へ

ビスフォスフォネート製剤(以下、BP剤と書きます。)を長期間使用している方々は、歯科治療の際かならず担当医にそのことを伝えて下さい。
現在、BP剤を静注している方々は(抜歯、歯周外科手術、インプラント埋入術、歯槽堤増大術、歯根端切除術などの顎骨の手術)は回避するべきであると言われています。
それがBP製剤を内服している方々にも拡大されるべきではないかという本が、日本口腔外科学会によって翻訳、緊急出版されました。
 

主な製品名
静注薬:「アレディア」、「ゾメタ」など
内服薬:「アクトネル」、「フォサマック」、「ボナロン」など
注意すべき状態
・内服期間が3年以上
・ステロイド(ブレドニゾンなど)を併用
・血液検査 CTX値(I型コラーゲン架橋C-テロペプチド)が150pg/ml未満
以上のどれかに相当する方々

詳しくはBP剤を処方された医師または歯科医師にご相談下さい。

☆すべての歯科医療担当者の方々へ
「顎骨懐死を誘発するビスフォスフォネート
経口薬あるいは静注薬 -歴史、病因、予防、治療-」

Robert E.Marx,DDS著
日本口腔外科学会翻訳監修
クインテッセンス出版株式会社
をぜひ、一読下さい。

BP製剤を長期間服用している方々は年々増加していると思われます。Robert E.Marx博士は、
顎骨は他の骨の10倍もBP製剤に対する感受性が高く、半減期が極めて長いBP製剤が蓄積されていくと顎骨壊死の発症率は公表されている数字よりも高くなると警告を発しています。将来安易な抜歯やインプラントが大きな医療問題になること危惧して浅学の身でありながら、あえて急告を発した次第です。
これが早とちりで済めばさいわいです。

平成21年12月4日
さとう歯科医院
佐藤 達也

 

PMTCの意義

  一年に一度、大そうじをしたら、ふだんはそうじをしなくて良いと考える人はいないでしょう。
歯周病も同じです。一度歯石を取って口の中をきれいにしたからといって、歯周病が完治したわけではありません。
口の中には、常に多くの細菌がすんでいて、「隙あらば・・・」と自分達の個体数を増やそうとしています。
言いかえると、体の好調・不調によって細菌の種類や数が変化し、悪玉菌が増えることになると、容易に発病してしまうのです。それゆえ、体にとって不都合な細菌類が増えすぎないようにコントロールすることがとても大切なのです。
たとえて言うならば、「駅前の放置自転車問題」と同じです。放置自転車は、すべてなくしてしまうことはできませんが、撤去しなければどんどん増えてしまうでしょう。定期的に自転車を撤去することによって、一定数にとどまっているのではないでしょうか?
  歯周病の原因菌は、嫌気性菌と言って酸素がない環境を好むものですから、空気の入りにくい歯周ポケット内にすみつこうとしています。これを定期的に破壊してかきまぜてしまうことによって、好気性菌など他の細菌類が入りこみ、歯周病菌が増えすぎないようにしておくことが、歯周病で歯をグラグラにしないコツだと言えるでしょう。
これがPMTCの考え方です。

  あなたは歯周ポケットの奥底まで歯ブラシする自信がありますか?
歯列矯正をして歯並びがきれいにそろっている方でも、歯科衛生士にOKをもらう歯ブラシをするには16分以上もかかってしまうのですよ!!

審美矯正(部分矯正)のお話

  歯並びを治す場合、歯科医師の立場からすると、本来ならば奥歯の噛み合せをきちんと治した方が良いと考えます。
そうは言っても、私自身も矯正治療を受けているからわかるのですが、患者様の立場からすると前歯の見た目だけが気になっているので、とにかく簡単で安い方がいい、いう気持ちも良くわかるのです。
  それゆえ、従来からの全顎矯正(奥歯の噛み合せの治療も含む)に加えて上の前歯だけの審美矯正(奥歯の噛み合せに手を加えない)も導入しました。詳しくはご相談下さい。

 
メリット(長所)
●おおむね6ヶ月程度の短期間で終了できる。
●歯を抜かないで治療できる。
●上の前歯だけの歯列矯正。
●早く・安く痛みが少ない。
●成人矯正でできやすいブラック・トライアングル(生え際のすき間)が小さくなる。
 
デメリット(短所)
●噛み合せや歯の状態によっては、無理な場合があるので、事前の検査が必要です。
(診査・レントゲン・写真・模型)
●ワイヤー矯正とマウスピース矯正を併用してスピードアップを目指します。
それゆえ、マウスピースをきちんと装着し続けなければ正しく動かないので、
患者さんの協力度によって、治療の成否が左右されます。
●奥歯を動かさないので根本的な噛み合せの治療とは違います。

☆3+3(上の犬歯から犬歯)治療費330,000円(税込)期間6ヶ月が目安です。

「ちょっと待った!インプラント」

  歯科のインプラント治療は50年程前から始まっていますが、特に21世紀に入る頃からは、急速に宣伝されるようになってきました。理由としては第一にあげられるのが入れ歯やブリッジとは違って、他の歯を削ったり負担をかけたりせずに治療することが可能なことでしょう。
費用がかなり高額なことを除けば技術的にはさほど困難ではなく(下の総入れ歯が浮かないようにすることの方がはるかに困難なのです。コンスタントにそれができる歯科医が世界中に何人いるでしょうか?)
また、外見にも影響はありません。

しかし、インプラントには決定的な弱点が1つだけあります。歯肉とはくっつかないということです。
つまりインプラントとは、全周が歯周ポケットの歯を植える技術なのです。それゆえ、自分の歯以上に歯ブラシに気をつける必要があり、将来的に歯ブラシがうまくできなくなると(脳梗塞や寝たきり状態、認知症など)、「インプラント周囲炎」という歯周病と同じような病的状態になりやすいのです。
歯周病なら、グラグラになって歯が抜ければおしまいですが、インプラントの場合はネジがきってある為に簡単には外れません。また、いわゆる糖尿病の方や、心臓の手術が必要な方、免疫抑制剤が必要な手術を受ける方、ヘビースモーカーなどはインプラントの適応ではありません。

あくまで私の個人的な考えですが、インプラントは現段階では若いうちに1本の歯が抜けた場合の治療法としては最有力であっても、有病者や高齢者が入れ歯のかわりに受ける治療としてはお勧めできません。
「私が入れ歯をお作りしてどうしても噛めなかったら、床にたたきつけてインプラントをしては如何ですか?」とお話ししています。他の歯科医院でインプラントをすすめられたが、「インプラントが不安な方、インプラント以外の治療が知りたい方」は、セカンド・オピニオンとして当院をご利用下さい。

ただしです。今、インプラントに歯根膜(歯の周囲の靱帯膜で、歯を歯肉や骨と強力に結びつけている)を着ける研究が進行中です。東京医科歯科大学の同期の石崎教授もその研究者の1人です。これが完成されれば先程のインプラントの弱点は解消されるでしょう。頑張って研究を完成して下さいね。

「ちょっと待った!インプラント2」

前回の文章で、一部の方々に私が「インプラント反対」であるという誤解を与えてしまったため、補足します。
正確に言うと、『適応症例を選んでインプラント治療をしましょう。』ということになります。
現在、当院で適応と考えている条件を列挙します。

①脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病、認知症などの大病を現在わずらっていないこと。
くわしくはご相談下さい。

②ヘビースモーカーでないこと。少なくとも、インプラントがしっかり固定するまでは禁煙ができること。

③骨粗鬆症で3年以上BP剤を使用していないこと。
もしくは中断可能なこと。

④インプラント埋入のための骨が著しく不足していないこと。
サイナス・リフトは長期予後について不安なため、当院では行っておりません。
ソケット・リフトやソケット・プリザベーション、人工骨補填は対応しています。
くわしくはご相談下さい。
(CT等で精密検査が必要な場合があります。)

⑤欠損が一部の歯牙に限定されていること。
もしくは義歯の補強としてのインプラントであること。
総義歯の代りに固定製の義歯(オール・オン・フォーなど)を作ることには反対です。
はずせない入れ歯の清掃は困難だと考えるからです。それに対して、通常の入れ歯を安定させるためのアタッチメントとしてのインプラントは行っています。

⑥定期検診に通院が約束できること。
インプラント周囲炎を予防して、ずっとインプラントが使えるようにするために不可欠です。

⑦優秀なドクターが行うこと。
インプラントは外科手術と補綴(失った歯を作る)という2つの専門分野が不可欠です。この両方とも最先端の技術を維持できる歯科医師の数は多くはありません。
当院では、院長(補綴)と織田先生(外科)の2人の専門医のコンビネーションで最新・最良のインプラントを皆様に提供しています。

⑥きちんと来院していただける方であること。
インプラントは事前の準備が大変です。手術時間に遅れたり、キャンセルされる方には対応できません。

・・・などです。

初期の虫歯

MI : 悪い部分のみ削って詰める。
予防拡大 : 磨きにくくて、虫歯になりやすい部分も含めて治療

※2つの治療法の長所と短所を知っていますか?

歯周治療

  • GBRやエムドゲインを使用して費用をかけても積極的に治療する方法
  • 現状維持を目指すPMTC主体の方法
※こんな治療法を知っていますか?

小児歯科

  • 永久歯に生え変わるまで乳歯を保ち、子供を歯医者嫌いにしない方法はいかがですか?(三種抗生剤混合治療・いわゆる3MIXを使用します。)

失った歯の回復法

失った歯の回復法
  • クラウン・ブリッジまでですめばギリギリセーフです。
    大臼歯を喪失しないように費用をかけていただければ楽勝です。
  • バネのない入れ歯や良く噛める入れ歯を知っていますか?
  • インプラントの欠点を十分説明された事がありますか?
    インプラントを入れた方々の行く末が心配です。
  • 総入れ歯や難しい入れ歯では、院長の治療を受ける為に新幹線や飛行機で
    来院する方々もいらっしゃいます。
※入れ歯でお困りの方、是非ご相談下さい。

 

歯列矯正(歯並びの治療)

  • 部分矯正から全体の矯正まで。10才代~70才代まで。
  • 歯を抜かない矯正法や、どうせ抜くなら長持ちしない歯を抜く矯正法もあります。
  • 矯正だけの歯科医院ではないので、動かしている途中に矯正装置をはずしたままにせずに虫歯の治療をする事もできます。
    その上、最終的な噛み合せの修正は、つめ物の作り直しなどで対応できるため、完成度がアップします。
  • 院長自身が非抜歯成人矯正を体験しています!

審美補綴(自由診療ならではの治療です。)

  • 新庄選手やヨン様のような白くて目立つ歯も可能ですし、どこを治療したかわからないような治療も可能です。
  • 噛み合せのバランスを維持した上で、より美しい笑顔と口元を作る治療です。

できるだけ歯を生かす治療

  • 他の医院で「抜いて治療しましょう」と言われた方、ちょっと待って下さい。当院なら別の方法があるかもしれません。
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